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【申請テンプレ付き】事業継続力強化計画(ジギョケイ)完全ガイド ── 認定で補助金加点・税制優遇・低利融資を一気に獲得する方法

事業継続力強化計画(ジギョケイ)の概要、BCPとの違い、認定メリット、GビズIDから電子申請までの手順、単独型の申請書テンプレートと記載例、不備対策、事例、明日からのアクションまでを解説します。


BCPやIT-BCPの全体像は「【テンプレ付き】中小企業のIT-BCP策定ガイド」、補助金とセキュリティの組み合わせは「中小企業のサイバーセキュリティ補助金ガイド」、補助金の流れの比較は「DX系補助金フローチャート比較」もあわせてご参照ください。

想定読者

  • BCPの必要性は感じているが、何から手をつければよいか迷っている中小企業の経営者・担当者の方
  • ものづくり補助金やIT導入補助金の採択率を上げたい方
  • GビズIDや電子申請の流れを押さえて、事業継続力強化計画の認定まで進めたい方

この記事で得られること

  • 「事業継続力強化計画(ジギョケイ)」の概要と、BCPとの違いの整理
  • 認定で得られる4つのメリット(補助金加点・税制・融資・保険など)のイメージ
  • GビズID取得から認定までの申請ステップ
  • 単独型の申請書の構成と、すぐ使える記載例・テンプレートのたたき台
  • よくある不備の回避策と、申請をBCP整備のきっかけにする考え方

はじめに:申請しないのは「損」かもしれない

「BCP(事業継続計画)が重要なのはわかるけど、何から手をつければいいかわからない」。そんな悩みを抱えている経営者の方に、まず朗報をお伝えします。

実は、国には「事業継続力強化計画(通称:ジギョケイ)」という、中小企業向けに簡略化されたBCP認定制度があります。A4数枚程度の計画書を作成して経済産業大臣(地方経済産業局)に申請・認定されると、補助金の加点・税制優遇・低利融資・保険料割引といった実利的なメリットが一度に受けられます。

しかも、ものづくり補助金やIT導入補助金など、競争率の高い補助金で有利になれるため、「申請をきっかけにBCPを整備する」という進め方が非常に合理的です。BCPを整備しながら、補助金採択率も上がる。一石二鳥の制度です。

本記事では、制度の全体像から申請手順・テンプレートまでを丁寧に解説します。


目次

  1. 事業継続力強化計画(ジギョケイ)とは?
  2. BCPとジギョケイの違い
  3. 認定で得られる4つのメリット
  4. 対象企業・申請できる企業の要件
  5. 申請の全ステップ(GビズID取得〜認定まで)
  6. 申請書の書き方・テンプレート
  7. よくある不備・注意点
  8. ジギョケイ認定事例
  9. 申請をBCP整備のきっかけにする活用法
  10. 明日からできるアクション
  11. よくある質問(FAQ)
  12. 【まとめ】ジギョケイ認定で補助金・税制メリットを活かす

1. 事業継続力強化計画(ジギョケイ)とは?

制度の概要

中小企業者等が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を、経済産業大臣が「事業継続力強化計画」として認定する制度です。中小企業のための取り組みやすいBCPと位置づけられます。認定を受けた中小企業は、税制措置や金融支援、補助金の加点などの措置が受けられます。

噛み砕いて言うと:

「うちは災害・感染症・サイバー攻撃に備えてこういう対策をします」という計画書を国に提出して認定をもらうことで、税制・補助金・融資でトクをできる制度

2019年7月に「中小企業強靱化法」の施行とともにスタートし、2020年10月からは感染症対策も対象に追加されました。

flowchart TD
    A["🏢 中小企業が計画を策定<br>防災・減災・感染症・サイバー攻撃への<br>事前対策をまとめた計画書(A4数枚)"]
    B["📋 経済産業大臣へ申請<br>(地方経済産業局が窓口)<br>電子申請システムから提出"]
    C["✅ 審査・認定<br>標準処理期間:約45日"]
    D1["💰 税制優遇<br>防災設備に特別償却16%"]
    D2["🏦 金融支援<br>低利融資・信用保証枠拡大"]
    D3["📊 補助金加点<br>ものづくり補助金等で有利"]
    D4["🛡️ 保険料割引<br>損害保険料の優遇"]

    A --> B --> C
    C --> D1
    C --> D2
    C --> D3
    C --> D4

    style A fill:#1a3a5c,color:#ffffff,stroke:#4a9eca
    style B fill:#1a3a5c,color:#ffffff,stroke:#4a9eca
    style C fill:#1a4d2e,color:#ffffff,stroke:#2ecc71
    style D1 fill:#7a5c00,color:#ffffff,stroke:#d4a017
    style D2 fill:#7a5c00,color:#ffffff,stroke:#d4a017
    style D3 fill:#7a5c00,color:#ffffff,stroke:#d4a017
    style D4 fill:#7a5c00,color:#ffffff,stroke:#d4a017

ジギョケイが対象とするリスク

  • 地震・台風・洪水・津波などの自然災害
  • 新型コロナウイルス等の感染症
  • サイバー攻撃(ランサムウェア・不正アクセス等)
  • 停電・火災等の事故

ランサムウェア等の多層防御は「ランサムウェア被害の5つの防御策」、データの守り方は「3-2-1ルールのバックアップ実践法」で整理できます。申請書の第3章「D欄」に書く中身のイメージづくりにもつながります。


2. BCPとジギョケイの違い

「BCP(事業継続計画)とジギョケイ(事業継続力強化計画)はどう違うの?」という疑問は当然です。表で整理します。

比較項目BCP(事業継続計画)ジギョケイ(事業継続力強化計画)
国の認定なしあり(経済産業大臣)
税制・補助金優遇なしあり
対象規模企業規模問わず中小企業・小規模事業者
必要なページ数一般的に数十〜数百ページA4数枚程度
策定期間一般的に6か月〜1年数日〜2週間程度でも可能
難易度高い低い(入門的位置づけ)

事業継続力強化計画には国の認定制度があり、認定を受けることで税制優遇や補助金加点などの支援措置を受けられます。一方、BCPには認定制度がなく支援・優遇措置もありません。また、事業継続力強化計画は中小企業向けに簡素化されており、A4数枚程度で策定できます。対して、BCPは企業規模を問わない代わりに、一般的に6ヶ月から1年の策定期間が必要です。

flowchart TD
    subgraph BCP["📘 BCP(上位概念)"]
        B1["企業規模問わず"]
        B2["数十〜数百ページ"]
        B3["認定・優遇なし"]
    end
    subgraph JK["📗 ジギョケイ(入門・簡易版)"]
        J1["中小企業・小規模事業者向け"]
        J2["A4数枚〜"]
        J3["国の認定+各種優遇あり"]
    end

    JK -->|"発展させると"| BCP

    style BCP fill:#1a3a5c,color:#ffffff,stroke:#4a9eca
    style JK fill:#1a4d2e,color:#ffffff,stroke:#2ecc71

**推奨する進め方:**まずジギョケイを申請・認定取得 → 認定取得を契機にBCPを充実させていく、というステップアップが最も現実的です。


3. 認定で得られる4つのメリット

メリット① 補助金審査での加点

事業継続力強化計画を策定し認定を受けることで、ものづくり補助金やIT導入補助金、事業再構築補助金などの申請時に加点が適用され、採択率が向上します。これらの補助金は、中小企業が設備投資やデジタル化、新規事業展開を行う際の重要な資金源となるもので、採択されるかどうかが事業の成否を左右することもあります。認定を受けることで申請の成功率が高まります。

加点対象の主な補助金(2026年3月現在):

補助金名補助上限額加点の効果
ものづくり補助金最大4,000万円審査での加点(競争率が高いため有利)
IT導入補助金最大450万円審査での加点
事業再構築補助金最大7,000万円審査での加点
小規模事業者持続化補助金最大250万円審査での加点
中小企業省力化投資補助金最大1,500万円審査での加点

⚠️ 補助金の要件・上限額は変更される場合があります。申請前に各補助金の公式サイトで最新情報をご確認ください。

メリット② 防災・減災設備への税制優遇(特別償却)

本税制は、令和元年7月16日〜令和9年3月31日までの間に認定を受けた事業者が、認定を受けた日から1年以内に計画に記載された対象設備を取得し事業に用いた場合に、特別償却16%の税制措置を受けることができる制度です。

特別償却とは?(わかりやすく解説)

通常、設備を購入した費用は何年かに分けて経費として計上します(減価償却)。特別償却を使うと、1年目に通常より多く経費計上できるため、その年の税負担が軽くなります。

例:1,000万円の自家発電設備を購入した場合

  • 通常の償却:1年目に数十万円の経費計上
  • 特別償却16%適用:1年目に通常の減価償却費+160万円追加計上 → その分、税負担が軽減

税制優遇の対象設備例:

設備の種類最低取得価額
自家発電設備・排水ポンプ等(機械装置)100万円以上
感染症対策設備(器具備品)30万円以上
UPS(無停電電源装置)・架台(建物附属設備)60万円以上
バックアップサーバー等の情報セキュリティ設備要確認

メリット③ 日本政策金融公庫等による低利融資

設備導入に必要な資金について、日本政策金融公庫の低利融資を受けられます。設備資金20年以内、長期運転資金7年以内(据置期間2年以内)の貸付金利が、基準利率から0.9%引き下げられます。

また、信用保証協会による普通保険等とは別枠での追加保証や保証枠の拡大も受けられます。これにより、民間金融機関から融資を受けやすくなります。

メリット④ 損害保険料の割引+認定ロゴマークの利用

損害保険会社等では、計画の認定を受けた事業者に対して、そのリスク実態に応じた保険料等の割引を行うことで、中小企業の事業継続力の強化を後押ししています。

さらに、認定企業は中小企業庁のホームページに事業者名が公表され、専用の「認定ロゴマーク」を会社案内・名刺・ウェブサイト等に使用できます。取引先や顧客への信頼性PRに活用できます。

flowchart TD
    AUTH["✅ ジギョケイ認定"]
    
    M1["💰 補助金加点<br>ものづくり・IT導入等で有利<br>採択率アップ"]
    M2["🧾 税制優遇<br>防災設備に特別償却16%<br>購入初年度の税負担軽減"]
    M3["🏦 低利融資<br>日本政策金融公庫<br>基準利率-0.9%"]
    M4["🛡️ 保険料割引<br>損害保険料の優遇<br>保険コスト削減"]
    M5["🏅 信頼性向上<br>認定ロゴマーク使用可<br>中小企業庁HPに掲載"]

    AUTH --> M1
    AUTH --> M2
    AUTH --> M3
    AUTH --> M4
    AUTH --> M5

    style AUTH fill:#1a4d2e,color:#ffffff,stroke:#2ecc71
    style M1 fill:#7a5c00,color:#ffffff,stroke:#d4a017
    style M2 fill:#7a5c00,color:#ffffff,stroke:#d4a017
    style M3 fill:#7a5c00,color:#ffffff,stroke:#d4a017
    style M4 fill:#7a5c00,color:#ffffff,stroke:#d4a017
    style M5 fill:#1a3a5c,color:#ffffff,stroke:#4a9eca

4. 対象企業・申請できる企業の要件

中小企業の規模定義(業種別)

業種資本金従業員数
製造業・建設業・運輸業・その他3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下

※どちらか一方を満たせばOK(資本金または従業員数)

企業組合・事業協同組合・商工組合・商店街振興組合なども申請対象に含まれます。

申請の種類

種類概要向いているケース
単独型1社で計画を策定・申請通常の中小企業(まずはここから)
連携型複数社が連携して策定・申請商店街・業界団体・サプライチェーンで連携したい場合

初めての方は単独型から始めることを強くおすすめします。


5. 申請の全ステップ(GビズID取得〜認定まで)

flowchart TD
    S0["📅 今すぐ<br>GビズIDプライムの<br>取得申請<br>(取得まで約2週間)"]
    S1["📝 STEP 1<br>制度の概要を理解する<br>中小企業庁HPの資料を確認"]
    S2["📋 STEP 2<br>計画書(申請書)を作成<br>手引きと記載例を参考に<br>A4数枚で作成"]
    S3["🖥️ STEP 3<br>電子申請システムから申請<br>(keizokuryoku.go.jp)"]
    S4["🔍 STEP 4<br>経済産業局による審査<br>(標準処理期間:約45日)"]
    S5["✅ STEP 5<br>認定・認定書受領<br>各種メリット適用開始"]
    S6["🔄 継続的な取組<br>実施状況の報告<br>計画の見直し・2回目申請"]

    S0 -->|"並行して進める"| S1
    S1 --> S2
    S2 --> S3
    S3 --> S4
    S4 --> S5
    S5 --> S6

    style S0 fill:#c0392b,color:#ffffff,stroke:#e74c3c
    style S1 fill:#1a3a5c,color:#ffffff,stroke:#4a9eca
    style S2 fill:#1a3a5c,color:#ffffff,stroke:#4a9eca
    style S3 fill:#1a3a5c,color:#ffffff,stroke:#4a9eca
    style S4 fill:#7a5c00,color:#ffffff,stroke:#d4a017
    style S5 fill:#1a4d2e,color:#ffffff,stroke:#2ecc71
    style S6 fill:#1a4d2e,color:#ffffff,stroke:#2ecc71

事前準備:GビズIDプライムの取得(最優先)

電子申請には、GビズIDアカウント(gBizIDプライム)が必要となります。アカウントの取得には約2週間程度かかりますので、計画的な取得をお願いします。

GビズIDとは、複数の行政サービスを一つのアカウントで利用できる事業者向けの認証システムです。マイナンバーカードまたは印鑑証明書(3か月以内)が必要です。

GビズIDプライム取得の手順:

  1. デジタル庁のGビズIDサイト(https://gbiz-id.go.jp/)にアクセス
  2. 「gBizIDプライム」の新規登録申請
  3. マイナンバーカードまたは印鑑証明書でオンライン申請
  4. 約2週間で審査完了・アカウント発行

⚠️ 補助金申請のタイミングに注意: ものづくり補助金等の加点目的で申請する場合、認定まで申請から約45日かかります。GビズID取得の2週間を含めると、補助金の公募締切から少なくとも2か月前には動き始める必要があります。

STEP 1:制度の概要を理解する

まず以下の資料を確認します(すべて無料・中小企業庁HPからダウンロード可能):

  • 「事業継続力強化計画認定制度の概要」(2026年3月17日更新)
  • 「事業継続力強化計画策定の手引き」(2026年2月18日更新)
  • 「Q&A集」(2025年12月17日更新)

STEP 2:計画書を作成する

計画書は以下の5つの章で構成されます(詳細は次章でテンプレート付きで解説)。

STEP 3:電子申請システムから申請

申請先:事業継続力強化計画電子申請システムhttps://www.keizokuryoku.go.jp/)

単独型の場合、システム上に直接入力する形式です。

💡 下書きTips: 中小企業基盤整備機構のサイトには「下書用フォーマット(Word形式)」が用意されています。まずWord上で内容を固めてからシステムに転記すると効率的です。

STEP 4:審査(約45日)

審査中に不備がある場合、担当の経済産業局からメールで修正依頼が届きます。指摘内容に従って修正し、再申請します。

よく指摘される不備(次章で詳しく解説)

STEP 5:認定・認定書受領

認定されると認定書がシステム上でダウンロードできます。この認定書を補助金申請等に使用します。


6. 申請書の書き方・テンプレート

申請書は以下の5章立てで構成されます。各章の記載ポイントとサンプル文例を解説します。


◆ 申請書 全体テンプレート


事業継続力強化計画 申請書(単独型)


第1章:事業者の概要

項目記載内容
名称(フリガナ)株式会社〇〇(カブシキガイシャ〇〇)
所在地〇〇県〇〇市〇〇町1-2-3
代表者の役職・氏名代表取締役 〇〇 〇〇
資本金〇〇〇万円
従業員数〇〇名
業種(中分類)※日本標準産業分類の中分類から選択
法人番号※国税庁法人番号公表サイトで確認
設立年月日〇〇年〇〇月〇〇日

<よくあるミス>

  • フリガナの記載漏れ(カタカナ会社名でも必要)
  • 業種を日本標準産業分類の中分類以外から記載
  • 設立年月日を「月まで」で止めている(日まで記載必須)

第2章:事業継続力強化の目標

(1)自社の事業活動に関する説明とサプライチェーン・地域経済における役割

記載例(製造業の場合):

当社は、〇〇県〇〇市において〇〇部品の製造を行っており、主要取引先である〇〇株式会社(製造業)等に対して安定供給を行っています。当社の製品は同業他社による代替が困難であり、当社が被災した場合、取引先の生産活動に支障をきたす可能性があります。また、地域の雇用(〇〇名)を担っており、地域経済への貢献も果たしています。

⚠️ ここが最重要: サプライチェーンや地域経済における役割を必ず記載してください。策定の手引きでは「計画書の不備として認定の対象とはなりません」と強調されている唯一の項目です。

(2)事業継続力強化に取り組む目的

記載例:

  1. 自然災害等が発生した場合においても、従業員及びその家族の安全を確保する。
  2. 主要取引先への製品供給を早期に再開し、取引先・顧客からの信頼を維持する。
  3. 地域の雇用を守り、地域経済への貢献を継続する。
  4. サイバー攻撃等による情報漏洩・業務停止を防ぎ、重要情報を保護する。

(3)事業継続力強化の目標(自然災害・感染症等の種類ごと)

自社の立地するエリアのハザードマップを確認し、想定リスクを特定します。

確認ツール(無料):

記載例:

自社の立地する〇〇市〇〇区は、〇〇川の浸水想定区域(浸水深:0.5〜3m)に含まれており、大雨・台風による浸水被害が最大リスクと判断した。また、地震リスクとして30年以内に震度6強以上の地震が発生する確率が〇〇%と高く、サプライチェーン全体への影響が懸念される。


第3章:事業継続力強化に資する対策及び取組

経営資源(A〜D)に分けて現状と今後の計画を記載します。A〜Dのうち1つ以上の記載が必須です。

A. 人員確保・スキル継承

記載例:

<現在の取組> 重要業務の手順書を整備中。主要担当者が1名のため、属人化リスクがある。

<今後の計画> 重要業務の手順書を〇〇年〇月までに整備する。代替担当者(バックアップ要員)を指名し、OJTにより技術継承を行う。緊急時の連絡体制(連絡先一覧・安否確認フロー)を整備する。

B. 建物・設備の保護

記載例:

<現在の取組> 主要サーバーは〇階に設置済み(浸水エリアから退避)。棚の固定は未実施。

<今後の計画> 重要設備の転倒防止措置(棚・機器の固定)を〇〇年〇月までに実施する。自家発電設備(〇〇kVA)を〇〇年〇月までに導入し、停電時のITシステム稼働を確保する。

C. 資金繰り対策

記載例:

<現在の取組> 月商の〇か月分に相当する〇〇万円の内部留保を維持している。

<今後の計画> 損害保険(火災・水災)への加入内容を見直し、復旧費用をカバーできる補償額に増額する(〇〇年〇月)。中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)への加入を検討する。

D. 情報の保護(IT・サイバー攻撃対策)

公式の手引きに記載された記載例(要旨):

<現在の取組> 現在、具体的なセキュリティ対策は実施できていない状況。

<今後の計画> 「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」を参考に、情報セキュリティに関する規程や体制の整備を進める。ネットワークを分離する機能がある設備やバックアップ設備を導入する。セキュリティに関する最新動向を発信している公的機関等のHPの情報を定期的に確認する。

バックアップの具体的な構成や復旧の考え方は「3-2-1ルールのバックアップ実践法」、遠隔地・クラウドを使った災害復旧のイメージは「中小企業のクラウドDR入門」、感染・不正アクセスの初動は「インシデント対応マニュアル」、IT-BCP全体のテンプレートは「【テンプレ付き】中小企業のIT-BCP策定ガイド」とあわせて読むと、D欄を「自社の実態に即した内容」に落とし込みやすくなります。


第4章:事業継続力強化設備等の種類(税制優遇を受ける場合のみ)

税制優遇(特別償却)を活用しない場合は記載不要です。

記載例(自家発電設備を導入する場合):

項目番号対応する取組取得年月設備名称/型式設置場所
1B(設備保護)2026年〇月自家発電設備/〇〇-〇〇型〇〇県〇〇市〇〇

⚠️ 注意: 建築基準法・消防法により設置が義務付けられている設備(火災報知機等)は対象外です。


第5章:平時の推進体制・訓練・見直しの取組

記載例:

  1. 推進体制:代表取締役社長を事業継続力強化推進責任者とし、IT担当者がサポートする。
  2. 訓練・教育:年1回、机上演習(災害発生を想定したシナリオ訓練)を実施する。全従業員に対し、災害時の初動対応・避難経路・安否確認方法について年1回教育を実施する。
  3. 計画の見直し:組織変更・システム変更・新たなリスク発生時、および毎年〇月に計画内容を見直す。
  4. 次回申請:本計画の認定期間終了後、実施状況を踏まえた2回目の申請を行う予定。

第6章:事業継続力強化を実施するために必要な資金(税制・融資を使う場合)

資金の用途金額(千円)調達方法
自家発電設備の導入〇,〇〇〇自己資金・日本政策金融公庫融資
ITセキュリティ設備の導入〇〇〇自己資金

7. よくある不備・注意点

フリガナが書かれていない(カナ文字の会社名や屋号の場合でも必要です)、業種は策定の手引きに掲載されている中分類から選ぶ、個人事業主は法人番号欄に「法人番号なし」と記載する、設立年月日を月までにしている(日まで記載しなければなりません)。意外とミスや漏れの多いところになりますので、注意してください。

申請書でよくある修正依頼トップ5:

No.よくある不備対策
1社名のフリガナ漏れカタカナ表記の社名でも必ずフリガナを記載
2業種が日本標準産業分類の中分類以外総務省サイトで中分類を確認して記載
3設立年月日が「月」まで(日なし)設立年月「日」まで記載
4サプライチェーン・地域経済の役割記載なし第2章(1)に必ず記載(最重要項目)
5対策・取組が抽象的(「対策を実施する」等)「〇〇年〇月までに〇〇を実施する」と具体的に

8. ジギョケイ認定事例

事例①:山形県製造業(従業員86名)── 2025年中小企業白書掲載

事業継続力強化計画とBCPを策定し、そこで認識した課題に対策する一連の取組は、顧客からの信頼獲得につながり、取引継続や新規顧客の開拓に寄与した。また、BCP策定を通じて、日頃から代替となる仕入先・外注先を検討したことや、最小限の人員体制で運営できるように製造工程を見直したことは、平時でもコスト削減につながったほか、少人数・短時間での製造が可能となり生産効率向上も実現した。

取り組んだ施策:

  • 従業員安否確認システムの導入
  • 停電対策の非常用自家発電機の設置
  • 通信型ドライブレコーダーの納品車への設置
  • 代替仕入先・外注先のリスト整備

ポイント: BCPとジギョケイの連動により、顧客信頼・コスト削減・生産効率向上・人材確保という複数の効果を得た。


事例②:アップデート株式会社(IT系企業)── 自社申請事例

ITサービスを提供する企業が自社で申請・認定を取得した事例です。IT企業ならではの「情報資産の保護」「テレワーク環境のセキュリティ」「データバックアップ体制」を中心に計画を策定しました。

申請書に記載した主な取組(D欄:情報保護):

  • クラウドバックアップの導入(オフサイト保管)
  • VPN・多要素認証の導入
  • セキュリティポリシーの整備
  • 従業員向けセキュリティ教育の年1回実施

ポイント: IT系企業は「情報保護(D欄)」の記載が充実しやすく、計画書の作成がスムーズ。


事例③:埼玉県内 複数業種(埼玉県産業振興公社 支援事例)

埼玉県産業振興公社が2025年3月に公表した「事業継続力強化計画策定支援事例集」では、建設業・製造業・サービス業等の10社の事例が掲載されています。BCPアドバイザーの無償派遣支援を活用した事例もあり、「専門家のサポートを受けながら策定した」という企業が多数です。

ポイント: 自社のみで作成が難しい場合は、都道府県の産業振興公社や商工会議所に相談すると無料サポートを受けられる場合があります。


ジギョケイ認定事例から学ぶ3つの共通点

flowchart TD
    K["🏆 認定事例の共通ポイント"]
    
    K1["① 社長が主体的に関与<br>BCPは社長決断なしに動かない<br>経営者の本気度が計画の質に直結"]
    K2["② 「今すぐできること」から始める<br>完璧を目指さず、現状と計画を正直に記載"]
    K3["③ 申請を内部整備のきっかけにする<br>申請書を書くプロセスで<br>自社の弱点・課題が明確になる"]

    K --> K1
    K --> K2
    K --> K3

    style K fill:#1a3a5c,color:#ffffff,stroke:#4a9eca
    style K1 fill:#1a4d2e,color:#ffffff,stroke:#2ecc71
    style K2 fill:#1a4d2e,color:#ffffff,stroke:#2ecc71
    style K3 fill:#1a4d2e,color:#ffffff,stroke:#2ecc71

9. 申請をBCP整備のきっかけにする活用法

ジギョケイの最も賢い使い方は、「申請書を作るプロセス自体をBCP整備の機会にする」ことです。

申請書を書くためには、以下のことを自社内で整理する必要があります:

  • 「うちが被災したら、どんなお客さんや取引先に迷惑がかかるか?」
  • 「一番やばいリスクは何か?地震?サイバー攻撃?」
  • 「今、どんな対策がしてあって、何が足りないか?」
  • 「緊急時、誰が何をするのか?」

これらの問いへの答えをまとめる作業そのものが、BCPの骨格づくりになっています。

flowchart TD
    J1["📝 ジギョケイ申請書を作る<br>(A4数枚・数日〜2週間)"]
    J2["✅ 認定取得<br>各種メリット享受開始"]
    J3["📘 申請書をベースに<br>BCPを肉付け・充実化"]
    J4["🔄 年1回の見直し・訓練<br>2回目のジギョケイ申請も検討"]

    J1 -->|"認定まで約45日"| J2
    J2 -->|"認定後すぐ"| J3
    J3 --> J4
    J4 -->|"継続的な改善"| J3

    style J1 fill:#1a3a5c,color:#ffffff,stroke:#4a9eca
    style J2 fill:#1a4d2e,color:#ffffff,stroke:#2ecc71
    style J3 fill:#1a3a5c,color:#ffffff,stroke:#4a9eca
    style J4 fill:#7a5c00,color:#ffffff,stroke:#d4a017

認定後の活用ロードマップ例:

時期取組内容
認定直後補助金申請(IT導入補助金・ものづくり補助金等)に認定書を添付
認定から1年以内計画に記載した防災設備を取得し、税制優遇(特別償却16%)を適用
認定から半年計画書をもとにBCPを充実化(IT-BCP策定ガイドに沿った手順書の整備、訓練計画の策定)
認定から1年後実施状況の見直し・訓練実施
認定期間終了前2回目の申請を検討(内容を更新・発展させて再申請)

10. 明日からできるアクション

flowchart TD
    A1["✅ 今日:中小企業庁HPで<br>制度概要を確認<br>(無料・10分)"]
    A2["✅ 今日:GビズIDプライムの<br>申請を開始<br>(取得まで約2週間かかる)"]
    A3["✅ 今週:ハザードマップで<br>自社の立地リスクを確認<br>(無料・30分)"]
    A4["✅ 今月:申請書の下書きを作成<br>手引きの記載例を参考に<br>(本記事のテンプレート活用)"]
    A5["✅ 来月:電子申請システムから提出<br>(GビズID取得後)"]
    A6["✅ 認定後:補助金申請に活用<br>次の設備投資・IT化に合わせて"]

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一番大事なのはアクション②です。GビズIDの取得に2週間かかるため、今日申請しておかないと後でスケジュールが詰まります。 計画書の作成より先に、GビズIDの申請だけは今日済ませておいてください。

もし「自社だけで作成するのが不安」という場合は、以下の無料支援を活用しましょう:

  • 中小企業基盤整備機構(中小機構):専門家無料派遣(「ジギョケイ策定・申請支援事業」)
  • 商工会議所・商工会:地域の専門家による相談対応
  • 都道府県の産業振興公社:BCPアドバイザーの無償派遣

よくある質問(FAQ)

Q1. 事業継続力強化計画は自社で作れますか?専門家が必要ですか?

A. 自社のみで作成できます。中小企業庁の「策定の手引き」に記載例が豊富に載っており、本記事のテンプレートを使えば数日で下書きを作ることも可能です。不安な方は、中小機構の無料専門家派遣サービスを活用することをおすすめします。

Q2. 申請してから認定まで、どのくらいかかりますか?

A. 審査の標準的な処理期間は45日程度かかるとされており、補助金申請などを予定している場合は余裕を持った準備が必要です。不備があると修正依頼が来て、さらに時間がかかります。補助金の締切から逆算して早めに動きましょう。

Q3. 認定の有効期間は何年ですか?

A. 現行制度では、計画に記載した「実施期間」が有効期間となります(通常3〜5年程度で設定するケースが多い)。期間終了後は2回目の申請が必要です。

Q4. すでに何らかのBCPを策定しているが、ジギョケイも別途申請が必要ですか?

A. はい、税制優遇・補助金加点等のメリットを受けるには、ジギョケイとして経済産業大臣の認定を取得する必要があります。既存のBCPがあれば、その内容を活用してジギョケイの申請書を作成できます。

Q5. サイバー攻撃対策も対象になりますか?

A. はい。申請書の「D欄(情報の保護)」にサイバー攻撃対策の取組(バックアップ、セキュリティソフト導入、従業員教育等)を記載できます。補助金でセキュリティ投資を組み立てる場合は「中小企業のサイバーセキュリティ補助金ガイド」、IT導入補助金の枠(セキュリティ対策推進枠)との組み合わせも検討に値します。

Q6. 個人事業主も申請できますか?

A. できます。業種・規模の要件を満たす個人事業主も申請対象です。申請書の法人番号欄に「法人番号なし」と記載します。

Q7. 申請手数料はかかりますか?

A. 申請手数料は無料です。計画書の作成・電子申請もすべて無料で行えます(GビズIDの取得費用も原則無料)。


【まとめ】ジギョケイ認定で補助金・税制メリットを活かす

本記事の内容をまとめると、こんな感じになります。

  • 事業継続力強化計画(ジギョケイ)は、A4数枚の計画書で申請でき、認定により補助金加点・税制優遇・低利融資・保険料割引などのメリットが受けられる制度であること
  • GビズID取得に約2週間、審査に約45日かかるため、補助金公募に間に合わせるなら早めの着手が重要であること
  • 申請書作成のプロセスが、BCP整備やリスク整理の第一歩になりうること

事業継続力強化計画(ジギョケイ)は、「A4数枚の計画書を作るだけで、補助金加点・税制優遇・低利融資・保険料割引という複数のメリットを同時に狙える」という、中小企業にとって費用対効果の高い制度です。

BCPを「作るのが大変そう」と感じている方こそ、まずジギョケイから始めてみるのが現実的かと思います。申請書を作るプロセスそのものが自社のリスク整理になり、BCP策定の第一歩になります。

認定後は、認定書を補助金申請に活用し、計画の内容をBCPとして少しずつ充実させていく。このサイクルを回すことが、企業の強靱化につながります。

まず今日やること:GビズIDプライムの申請だけ、今日済ませてください。 それだけで、認定取得への道が開けます。

以上となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


関連リソース(公式リンク)


本記事の情報は2026年3月時点のものです。制度の詳細・優遇措置の内容は変更される場合があります。申請前に必ず中小企業庁の公式サイトで最新情報をご確認ください。