【業種別】医療・介護業界の中小事業者で使える生成AIプロンプト10選|コピペOK
医療・介護業界ですぐ使える実践的なプロンプト10個を紹介。ケアプラン文書作成、申し送り要約、家族向け説明文、研修資料、ヒヤリハット報告書など、コピペするだけで使えます。
「申し送りの文章をまとめるだけで30分かかる」「ケアプランの文面を毎回ゼロから書くのが大変」「ご家族への説明文を丁寧に書きたいけど時間がない」——医療・介護の現場で働く方なら、こんな悩みを感じていませんか?
医療・介護業界は「ケアプラン」「申し送り」「家族への説明文書」「研修資料」「ヒヤリハット報告書」「行政への提出書類」など、文書作成の負担が非常に大きい業種です。厚生労働省の調査でも介護事業所の65%以上が人材不足を感じていると報告されており、少ない人員で質の高いケアと事務作業を両立する必要に迫られています。
生成AIは、こうした**「書く仕事」「まとめる仕事」を大幅にスピードアップ**してくれます。空いた時間を利用者さま・患者さまとの直接的なケアに充てることができます。
本記事では、医療・介護業界の中小事業者で「明日からそのまま使える」プロンプトを10個厳選しました。すべてコピペして、【 】の部分を自社の情報に書き換えるだけで使えます。生成AIの導入をこれから始める方は、まず「中小企業向け生成AI活用ガイド」で全体像を把握することをおすすめします。
想定読者
- 介護施設・クリニック・訪問看護ステーションの経営者・管理者の方
- 生成AIを医療・介護業務の事務作業に取り入れたいが、プロンプトの書き方が分からない方
この記事で得られること
- 医療・介護業界ですぐ使える実践的なプロンプト10個(コピペOK)
- プロンプトの「型」と応用のコツ
- 医療・介護業界特有の注意点とセキュリティ対策
目次
- 医療・介護業界×生成AI——どんな業務に使えるのか?
- 生成AIプロンプトの基本——「型」を覚えれば怖くない
- 医療・介護業界で使えるプロンプト10選
- FAQ——医療・介護業界の生成AI活用でよくある質問
- 【重要】プロンプト活用の注意点とセキュリティ対策
- 【まとめ】医療・介護業界で使える生成AIプロンプト10選
医療・介護業界×生成AI——どんな業務に使えるのか?
「利用者さまの個人情報を扱う業界だから、AIなんて使えない」——そう思っていませんか?確かに個人情報の取り扱いには細心の注意が必要ですが、ダミーデータを使えば、文書の「型」や「文面」をAIに作ってもらうことは十分可能です。
厚生労働省も2025年に公表した報告書で、ケアプランの原案作成や会議録の作成に生成AIを活用することで業務効率化につながると明記しており、国としても介護現場でのAI活用を後押ししています。
以下の図は、医療・介護業界の中小事業者で生成AIを活用しやすい業務領域を整理したものです。
flowchart TB
A["🏥 医療・介護業界で<br>生成AIが使える業務"]
A --> B["📄 文書作成系"]
A --> C["📊 報告・記録系"]
A --> D["📧 コミュニケーション系"]
A --> E["📋 教育・管理系"]
B --> B1["ケアプラン文面"]
B --> B2["申し送り要約"]
B --> B3["家族向け説明文"]
C --> C1["ヒヤリハット報告書"]
C --> C2["月次業務報告書"]
C --> C3["サービス担当者会議録"]
D --> D1["ご家族への連絡文"]
D --> D2["関係機関への依頼文"]
D --> D3["採用募集の文面"]
E --> E1["スタッフ研修資料"]
E --> E2["感染対策マニュアル"]
E --> E3["業務手順書"]
style A fill:#4A90D9,stroke:#2E6BA6,color:#FFFFFF
style B fill:#F5A623,stroke:#D4891A,color:#1A1A1A
style C fill:#7ED321,stroke:#5EA018,color:#1A1A1A
style D fill:#D0021B,stroke:#A00116,color:#FFFFFF
style E fill:#9B59B6,stroke:#7D3C98,color:#FFFFFF
ポイントは、AIは「個人情報を含まない部分」の文書作成を代行してくれる強力なアシスタントだということ。ケアプランの「型」、申し送りの「文面の骨格」、報告書の「構成」をAIに作ってもらい、利用者さま固有の情報は後から手入力する。この使い方なら、個人情報を守りながら作業時間を大幅に短縮できます。
生成AIプロンプトの基本——「型」を覚えれば怖くない
そもそも「プロンプト」とは?
プロンプトとは、ChatGPTやClaude、Geminiなどの生成AIに対して出す**指示文(お願いの文章)**のことです。人間の部下に仕事を頼むときと同じで、指示が具体的であればあるほど、質の高い回答が返ってきます。
良いプロンプトの「型」——4つの要素
| 要素 | 説明 | 医療・介護業界での例 |
|---|---|---|
| 🎭 役割(Role) | AIにどんな専門家として振る舞うか指定 | 「あなたは介護施設のベテランケアマネジャーです」 |
| 🎯 目的・背景(Context) | なぜその作業が必要かを伝える | 「ご家族への月次報告のために…」 |
| 📋 条件・制約(Constraints) | 文字数・トーン・含める情報を指定 | 「300文字以内で、温かみのある表現で」 |
| 📤 出力形式(Format) | どんな形で出力してほしいかを指定 | 「箇条書きで」「報告書形式で」 |
プロンプトのNG例とOK例
❌ NG例:「申し送りを書いて」
→ 情報が少なすぎて、汎用的すぎる文章が出てくる
✅ OK例:
「あなたは介護施設の夜勤リーダーです。
以下のメモをもとに、日勤スタッフへの
申し送り文書を作成してください。
【条件】
- 重要度の高い事項を最初に記載
- バイタル変化があった方は数値を明記
- 日勤帯で対応が必要な事項を明示
- 200〜300文字程度」
💡 ポイント: プロンプト内の固有名詞(利用者名、患者名、病名、住所など)には、実際の情報を入れず
〇〇やダミーの情報を使いましょう。AIに入力した内容は外部サーバーに送信される可能性があります。医療・介護の個人情報は特に厳格に保護する必要があります。 プロンプトの5W1Hフレームワークや構造化のコツをさらに深く学びたい方は「プロンプトエンジニアリング実践講座」もあわせてご参照ください。
医療・介護業界で使えるプロンプト10選
① ケアプランの文面(文章部分)の作成
想定シーン: ケアプランの文面(総合的な援助の方針、長期目標・短期目標の文章表現)を作成したい。内容は決まっているが、適切な文章表現に仕上げるのに時間がかかる。
あなたは介護施設のベテランケアマネジャーです。
以下の情報をもとに、ケアプラン(居宅サービス計画書)の
文面を作成してください。
# 重要な注意事項
※利用者の実名や個人を特定できる情報は入力しないでください。
※AIの出力はあくまで「たたき台」です。最終版は必ず担当ケアマネジャーが確認・修正してください。
# 条件
- 利用者本人の意向を尊重した表現にすること
- 本人の「できること(残存能力)」を活かす視点を含めること
- 「総合的な援助の方針」「長期目標」「短期目標」を記載すること
- 専門用語は最小限にし、ご本人・ご家族にも分かりやすい表現にすること
- 温かみのある、前向きなトーンにすること
# 入力情報(ダミーデータ)
- 利用者の状況:【〇〇(例:80代女性、要介護2、右膝関節症により歩行に不安あり)】
- ご本人の希望:【〇〇(例:「できるだけ自分で歩きたい」「家にいたい」)】
- ご家族の希望:【〇〇(例:「転倒が心配。デイサービスに通ってほしい」)】
- 現在のサービス:【〇〇(例:デイサービス週2回、訪問介護週1回)】
- 主な課題:【〇〇(例:下肢筋力の低下、自宅内の転倒リスク、入浴時の介助が必要)】
# 出力形式
1. 総合的な援助の方針(100〜150文字)
2. 長期目標(6ヶ月)と達成の目安
3. 短期目標(3ヶ月)と具体的な取り組み
4. サービス内容の概要
② 申し送り(引き継ぎ)文書の要約・整理
想定シーン: 夜勤中のメモや口頭報告をもとに、日勤スタッフが読みやすい申し送り文書にまとめたい。
あなたは介護施設のベテラン介護士です。
以下の夜勤中のメモを、日勤スタッフへの
申し送り文書として整理してください。
# 重要な注意事項
※利用者の実名は入力せず、「Aさん」「Bさん」等に置き換えてください。
# 条件
- 重要度の高い情報(体調変化・転倒リスク・医療的対応が必要な事項)を最初に記載すること
- バイタルサイン(体温・血圧・脈拍など)の変化は数値を明記すること
- 日勤帯で対応が必要な事項を【要対応】マークで明示すること
- 簡潔に要点のみ記載し、全体で300〜500文字程度
# 夜勤メモ(本日の内容)
---
【ここに夜勤中のメモを貼り付けてください】
(例)
- 22:00 Aさん なかなか寝付けず。トイレ2回。特に体調不良の訴えなし
- 0:30 Bさん 発熱37.8℃。クーリング実施。1:30に再検温→37.2℃に下降
- 2:00 Cさん ベッドサイドでふらつきあり。見守りで転倒なし。手すり使用を促した
- 3:00 Dさん ナースコール。「のどが渇いた」→水分補給。100ml摂取
- 5:00 全員バイタル異常なし。Bさんのみ37.0℃
---
# 出力フォーマット
1. 日付・夜勤者名
2. 【最重要】医療的対応・体調変化(要対応事項)
3. 各利用者の状況(個別記録)
4. 日勤帯への申し送り事項
5. その他連絡事項
③ ご家族向け状況報告文の作成
想定シーン: ご家族に利用者さまの近況を伝える文書(月次報告や連絡帳の記載)を、温かみのある文章で作成したい。
あなたは介護施設の相談員です。
以下の情報をもとに、利用者のご家族に向けた
月次の状況報告文を作成してください。
# 重要な注意事項
※利用者の実名や個人を特定できる情報は入力しないでください。
# 条件
- ご家族が安心できる、温かみのある文体で書くこと
- 良い変化・前向きな様子を中心に伝えること
- 課題や心配事がある場合も、前向きな対応策とともに伝えること
- 専門用語は使わず、一般の方にも分かりやすい表現にすること
- 全体で300〜400文字程度
# 入力情報(ダミーデータ)
- 利用者の状況:【〇〇(例:80代男性、要介護3、認知症あり)】
- 報告期間:【〇〇年〇月度】
- 良い変化:【〇〇(例:レクリエーションで塗り絵に集中して取り組まれた、食事量が安定している、他の利用者さまと笑顔で会話する場面が増えた)】
- 注意事項:【〇〇(例:夜間にトイレで起きる回数が増えた、食事中にむせることがあった)】
- 対応策:【〇〇(例:夜間の見守り体制を強化、食事形態を一部変更して様子を見ている)】
- 今後の予定:【〇〇(例:来月のケアプラン見直し時にご相談予定)】
# 出力形式
1. ご挨拶(季節の挨拶を含む)
2. 今月の様子(良い変化を中心に)
3. 気になる点と対応状況
4. 来月に向けて
5. 結びの言葉
④ ヒヤリハット報告書の作成
想定シーン: 施設内で発生したヒヤリハットを、再発防止につなげるための報告書としてまとめたい。
あなたは介護施設の安全管理責任者です。
以下の情報をもとに、ヒヤリハット報告書を作成してください。
# ヒヤリハットとは
重大な事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」としたり
「ハッ」としたりした出来事のことです。記録して共有することで、
重大事故の予防につながります。
# 重要な注意事項
※利用者の実名は入力せず、「利用者A」等に置き換えてください。
# 条件
- 事実を客観的に記載すること(推測と事実を明確に分ける)
- 「何が起きたか → なぜ起きたか → どうすれば防げるか」の構成にすること
- 再発防止策は具体的で実行可能な内容にすること
- スタッフ全員に共有することを前提とした分かりやすい文体にすること
- 全体で300〜500文字程度
# 入力情報
- 発生日時:【〇〇年〇月〇日 〇〇時頃】
- 発生場所:【〇〇(例:2階廊下、食堂、浴室)】
- 発見者:【〇〇(職種:介護士)】
- 利用者の状態:【〇〇(例:要介護2、歩行は杖使用、認知症なし)】
- ヒヤリハットの内容:【〇〇(例:廊下を歩行中に杖が滑り、バランスを崩した。近くにいたスタッフがすぐに支え、転倒には至らなかった)】
- 推定原因:【〇〇(例:床がワックス清掃直後で滑りやすかった)】
- 当時の状況:【〇〇(例:清掃後の注意表示が設置されていなかった)】
# 出力形式
1. 報告書タイトル・報告日・報告者
2. 発生状況の概要
3. 発生時の詳細(時系列)
4. 原因分析
5. 再発防止策(短期・中期)
6. スタッフへの周知事項
⑤ スタッフ向け研修資料の作成
想定シーン: 新人スタッフや全体向けに、テーマ別の研修資料を効率よく作りたい。
あなたは介護施設の教育担当マネージャーです。
以下のテーマについて、スタッフ向けの
研修資料を作成してください。
# 条件
- 新人スタッフでも理解できる、平易な表現で書くこと
- 具体的な場面やセリフの例を含めること
- 「なぜ重要か → 基本知識 → 実践のポイント → よくある失敗例」の構成にすること
- 研修後に確認できるチェックリストを付けること
- 全体で600〜1000文字程度
# 入力情報
- 研修テーマ:【〇〇(例:認知症ケアの基本、感染対策の基礎、接遇マナー、身体拘束適正化、ターミナルケアの心構え、服薬管理の基本)】
- 対象者:【〇〇(例:新入職員、全スタッフ、夜勤担当者)】
- 研修時間の目安:【〇〇分】
- 特に伝えたいこと:【〇〇(例:利用者の尊厳を守ること、チームで情報共有すること)】
- 施設の方針:【〇〇(例:「その人らしい暮らしを支える」)】
# 出力形式
1. 研修タイトル・対象者・所要時間
2. この研修の目的(なぜ学ぶのか)
3. 基本知識(キーワードの解説付き)
4. 実践のポイント(場面・セリフ例付き)
5. よくある失敗例と正しい対応
6. 研修後チェックリスト
⑥ サービス担当者会議の議事録テンプレート作成
想定シーン: サービス担当者会議の議事録を効率よく作成するため、議題ごとの記載テンプレートをAIに作ってもらいたい。
あなたは居宅介護支援事業所のケアマネジャーです。
以下の情報をもとに、サービス担当者会議の
議事録のテンプレートと記載例を作成してください。
# サービス担当者会議とは
ケアプランの作成・変更にあたり、ケアマネジャーが主催し、
利用者・ご家族・サービス事業者が集まって話し合う会議です。
# 条件
- 介護保険制度上の必須記載事項を漏れなく含めること
- 各議題の記載例(サンプル文)を付けること
- 簡潔かつ正確な記載を心がけること
- 全体で500〜800文字程度
# 入力情報
- 会議の目的:【〇〇(例:ケアプラン新規作成、ケアプラン変更、更新認定後の見直し)】
- 参加予定者(職種のみ):【〇〇(例:ケアマネジャー、訪問介護サービス提供責任者、デイサービス管理者、ご家族)】
- 主な議題:【〇〇(例:現在の身体状況の確認、サービス内容の見直し、短期目標の達成状況)】
# 出力形式
1. 会議基本情報(日時・場所・参加者の記載欄)
2. 議題ごとの記載テンプレート
- 議題名
- 検討内容(記載例付き)
- 各参加者の意見(記載例付き)
- 決定事項
3. 残課題・次回までのアクション
4. 次回会議の予定
⑦ 感染対策マニュアルの作成
想定シーン: インフルエンザやノロウイルスなどの感染症対策について、スタッフが実践しやすいマニュアルを作成したい。
あなたは介護施設の感染管理担当者です。
以下の情報をもとに、スタッフ向けの
感染対策マニュアルを作成してください。
# 条件
- 現場スタッフが忙しい中でも素早く確認できるよう、簡潔に書くこと
- 「平常時の対策」と「発生時の対応」を分けて記載すること
- 具体的な手順(手指消毒のタイミング、清掃方法など)を含めること
- 利用者への対応と、スタッフ自身の感染防止の両方を記載すること
- 行政への報告が必要なケースの基準を明記すること
- 全体で600〜1000文字程度
# 入力情報
- 対象感染症:【〇〇(例:インフルエンザ、ノロウイルス、新型コロナウイルス、疥癬)】
- 施設種別:【〇〇(例:特別養護老人ホーム、グループホーム、デイサービス、訪問介護事業所)】
- スタッフ数:【〇〇名】
- 利用者数:【〇〇名】
- 現在の対策状況:【〇〇(例:手指消毒液は各所に設置済み、マスクは常時着用)】
# 出力形式
1. マニュアルの目的
2. 平常時の予防対策
- 手指衛生
- 環境整備(清掃・消毒)
- スタッフの健康管理
3. 感染発生時の対応手順(ステップ形式)
4. 行政・医療機関への報告基準
5. 収束判断の目安
6. 備品チェックリスト
※本マニュアルはたたき台です。最終版は必ず嘱託医・感染管理の専門家に確認してください。
⑧ 採用募集文(求人票)の作成
想定シーン: 介護スタッフの採用募集を出したいが、求職者に響く魅力的な求人文面を書くのが苦手。
あなたは介護業界の採用コンサルタントです。
以下の情報をもとに、求職者に響く
採用募集文(求人票の本文)を作成してください。
# 条件
- 求職者が「ここで働きたい」と思える、温かみのある文面にすること
- 施設の雰囲気や働きやすさが伝わるエピソードを含めること
- 「やりがい」と「働きやすさ(制度・環境)」のバランスを取ること
- 応募のハードルを下げる表現(未経験OK、資格支援など)を含めること
- 全体で300〜500文字程度
# 入力情報
- 施設種別:【〇〇(例:特別養護老人ホーム、グループホーム、デイサービス)】
- 募集職種:【〇〇(例:介護職員、ケアマネジャー、看護師、理学療法士)】
- 雇用形態:【〇〇(例:正社員、パート、夜勤専従)】
- 給与:【〇〇(例:月給22万〜28万円、賞与年2回)】
- 勤務時間:【〇〇(例:シフト制、日勤のみ可)】
- 施設の特徴・魅力:【〇〇(例:開設3年の新しい施設、スタッフの平均年齢30代、残業月平均5時間以下、資格取得支援あり)】
- 利用者の特徴:【〇〇(例:定員30名、家庭的な雰囲気、地域密着型)】
# 出力形式
1. キャッチコピー(3パターン)
2. 施設・仕事の紹介文
3. 募集要項の概要
4. 先輩スタッフの声(例文)
5. 応募方法
⑨ 業務改善提案書の作成
想定シーン: 介護施設の業務改善(ICT導入、シフト見直しなど)を経営層に提案するための資料を作りたい。
あなたは介護施設の事務長です。
以下の情報をもとに、経営層に向けた
業務改善提案書を作成してください。
# 条件
- 経営者が意思決定しやすいよう、結論を先に述べる構成にすること
- 現状の課題を数値で示すこと
- 改善策の費用対効果(投資額と期待効果)を明記すること
- リスクとデメリットも正直に記載すること
- 実施スケジュールを含めること
- 全体で500〜700文字程度
# 入力情報
- 改善テーマ:【〇〇(例:介護記録のICT化、シフト管理ソフトの導入、見守りセンサーの導入)】
- 現状の課題:【〇〇(例:手書きの介護記録に1人あたり1日40分かかっている、申し送りの伝達漏れが月5件発生)】
- 提案する改善策:【〇〇(例:介護記録ソフト「〇〇」の導入)】
- 想定費用:【〇〇(例:初期費用〇〇万円、月額〇〇円/台)】
- 期待効果:【〇〇(例:記録時間を1人あたり1日20分短縮、年間〇〇時間の労働時間削減)】
- 導入事例:【〇〇(例:同規模の施設で導入済み、〇〇%の効率化を達成)】
# 出力形式
1. 提案の結論(3行以内)
2. 現状の課題と影響
3. 改善策の概要
4. 費用対効果の試算
5. リスク・デメリットと対策
6. 実施スケジュール
7. 次のステップ
⑩ クレーム・苦情対応文書の作成
想定シーン: 利用者のご家族や関係機関から寄せられた苦情に対して、誠実で丁寧な回答文書を作成したい。
あなたは介護施設の施設長です。
以下の情報をもとに、苦情に対する回答文書を作成してください。
# 条件
- 誠実で謝意のこもったトーンにすること
- 「受け止め → 事実確認の結果 → 原因分析 → 改善策 → 今後の対応」の構成にすること
- 言い訳がましくならないよう注意すること
- ご家族が安心できる、具体的な改善策を含めること
- 全体で300〜500文字程度
# 入力情報
- 苦情の申出者:【〇〇(例:ご家族、ご本人、外部の関係機関)】
- 苦情の内容:【〇〇(例:「面会に行った際、母の服が汚れたままだった。着替えをしてもらっていないのではないか」)】
- 事実確認の結果:【〇〇(例:該当日は入浴後に着替え済みだったが、昼食時に汁物をこぼし、すぐに着替え対応ができなかった)】
- 原因:【〇〇(例:昼食後のスタッフ配置が手薄で、即時対応ができなかった)】
- 改善策:【〇〇(例:食事時間帯のスタッフ配置を見直し、汚れに気づいた際は優先的に着替え対応する運用に変更)】
# 出力形式
1. ご挨拶と苦情受領の報告
2. 苦情内容の確認
3. 事実確認の結果
4. 原因と反省
5. 改善策(具体的な対応)
6. 今後のお約束
7. 結びの言葉(相談窓口の案内を含む)
【コラム】AI×IoT で介護現場を支える ── 腰ベルト+スマホ通知の検討事例
プロンプト10選から少し離れますが、医療・介護領域で生成AIが本格的に効くのは 「文書系の業務」と「現場のセンサーデータ」を組み合わせた瞬間 です。前職時代に検討した、介護施設向けの新サービス案を一つ紹介します。
検討した仕組み
介護士の 肉体的負担(特に腰の負担) を軽減することを目的に、加速度センサー付きの腰ベルト+専用アプリ の構成を検討していました。
- 腰ベルトに 加速度センサー を内蔵し、姿勢・動作パターンを取得
- 危険な姿勢(中腰の連続、急な前屈など)を検知すると、スマートフォン通知や腰ベルトのバイブレーション で本人にアラート
- 個人情報・医療情報・センサーデータを掛け合わせて、介護士に個別アドバイス を返す(将来的には生成AIによるパーソナライズ提案)
検討で詰まった点
仮説検証のために介護士の方々にヒアリングをして痛感したのは、「センサーで何が取れるか」より「現場が本当に欲しい機能は何か」を確定させる難しさ でした。技術的には加速度データから多くのことが分かるのですが、現場が求めていたのは派手な分析ではなく、「腰痛を未然に防ぐ通知」と「人員配置を経営者に説明できる根拠データ」 でした。
ヒアリングで出てきた声は次のようなものです。
- 「介護はとにかく肉体労働で、腰が痛くなりやすい。最終的には離職に直結する」
- 「人材不足が常態化しているので、経営者に “あと何人必要か” を説明できる根拠データ がほしい」
つまり、AI/IoT は介護士本人の体を守る道具であると同時に、経営者が必要人員数を判断するための定量的な裏付け資料 にもなり得るということです。後者の用途は、生成AIで「センサーデータ+シフトデータ」を要約し、経営層向け月次レポートを自動生成する といったワークフローと自然につながります。
経営者の感覚値とホットテーマ
介護施設の経営者と話をする中で得た感覚として、DX投資の許容金額帯はおおむね500万円程度 がひとつの上限ラインでした。これより高くなると、補助金や助成金とのセットでないと意思決定が難しくなります。一方で、業界として今ホットなのは 介護ロボット(移乗支援・歩行支援・見守り系)で、ここに生成AIを組み合わせた提案は経営層の関心を引きやすいテーマです。
中小規模の介護事業者がAIを検討する際は、いきなり高額なロボットから入るのではなく、まずは “文書系の業務(記録・申し送り・ヒヤリハット報告)” に生成AIを当て、コスト感と効果を経営者に体感してもらってから、IoT・ロボット系へ拡張する のが、現実的なステップだと感じています。
FAQ——医療・介護業界の生成AI活用でよくある質問
Q1. 利用者・患者の個人情報をAIに入力しても大丈夫ですか?
A. 絶対に入力しないでください。 利用者・患者の氏名、住所、生年月日、病歴、介護度、服薬情報などは、個人情報保護法および医療・介護関係事業者向けガイダンスで厳格に保護されています。プロンプトでは「80代女性、要介護2」のように個人を特定できない情報のみを使い、AIの出力後に担当者が実名や詳細情報を手入力してください。
Q2. AIが作ったケアプランや報告書をそのまま使って大丈夫ですか?
A. そのまま使うのはおすすめしません。 AIの出力はあくまで「たたき台(下書き)」です。利用者一人ひとりの状態やニーズは異なるため、必ず担当のケアマネジャー、看護師、介護福祉士が内容を確認・修正してから使ってください。
Q3. 医療的な判断(診断や投薬)にAIを使えますか?
A. 使わないでください。 本記事で紹介しているのは「文書作成の効率化」のためのプロンプトです。診断、投薬判断、医療処置の決定は必ず医師や看護師などの有資格者が行ってください。AIは医療行為の代替にはなりません。
Q4. 介護記録の音声入力とAIによる要約は、今後増えますか?
A. はい、音声入力からの自動記録・要約は急速に普及しています。介護記録ソフトの中にはAI要約機能を搭載したものも登場しています。ただし、現時点で汎用的な生成AI(ChatGPT等)に音声データを直接入力する場合は、個人情報の取り扱いに十分注意してください。
Q5. 補助金を使ってAIツールを導入できますか?
A. はい、介護テクノロジー導入支援事業として国や自治体から補助金が出ているケースがあります。介護記録のICT化や見守りセンサーの導入などが対象になることが多いです。最新の情報は都道府県の介護保険担当課や、WAM(福祉医療機構)のサイトで確認してください。
【重要】プロンプト活用の注意点とセキュリティ対策
生成AIは強力なツールですが、医療・介護業界では特に慎重な取り扱いが求められます。安全に活用するために、以下の5つのルールを守りましょう。
ルール1:個人情報・医療情報は絶対に入力しない
生成AIに入力した内容は、サービスによっては学習データとして使われる可能性があります。以下の情報は絶対に入力しないでください。
- 利用者・患者の氏名、生年月日、住所、電話番号
- 病歴、診断名、服薬内容、介護度
- ケアプランや看護記録の「実データ」
- スタッフの個人情報
対策: プロンプト内では 【〇〇】 やダミーデータ(「80代女性」「要介護2」等)を使い、出力された文章に後から実際の情報を手入力してください。
ルール2:AIの出力は必ず専門職がチェックする
生成AIは「もっともらしい嘘」をつくことがあります。これをハルシネーション(幻覚)と呼びます。特に医療・介護の制度情報、介護保険の基準、医療的な知識については、**必ず担当の専門職がファクトチェック(事実確認)**を行ってください。
ルール3:医療行為の判断は必ず有資格者が行う
AIの出力を、診断、投薬、医療処置の根拠にしてはいけません。文書作成の効率化に限定して活用し、医療的判断は必ず医師・看護師などの有資格者が行ってください。
ルール4:著作権に注意する
AIが生成した文章が、既存の著作物と酷似する場合があります。特に外部に公開するコンテンツは、確認することをおすすめします。
ルール5:施設内の利用ルール(ガイドライン)を整備する
生成AIをスタッフが活用するなら、利用可能なツール、入力禁止情報、生成物の扱いなどを定めた簡単なルールを作りましょう。特に医療・介護業界では、個人情報保護に関する規定を明確にしておくことが重要です。具体的な策定手順やコピーして使えるテンプレートは「生成AI利用ガイドラインの作り方」で解説しています。
【まとめ】医療・介護業界で使える生成AIプロンプト10選
本記事の内容をまとめると、こんな感じになります。
- プロンプトの型:役割・目的・条件・出力形式の4要素を意識する
- 10個のプロンプト:ケアプラン文面、申し送り要約、家族向け報告文、ヒヤリハット報告書、研修資料、サービス担当者会議録、感染対策マニュアル、採用募集文、業務改善提案書、苦情対応文書
- 最重要のセキュリティルール:利用者・患者の個人情報は絶対に入力しない、医療的判断はAIに任せない、出力は必ず専門職が確認
大切なのは、**「まず1つ試してみる」**ことです。おすすめの入門は「申し送りの整理」——毎日発生する業務でリスクが低く、すぐに効果を実感できます。AIに事務作業を手伝ってもらうことで、利用者さまと向き合う時間を少しでも増やす。それが、医療・介護業界における生成AI活用の最大の価値です。
営業、製造、小売・飲食、物流・運送など他業種向けのプロンプトも用意しています。同じ「型」の応用なので、営業で使えるプロンプト、製造業で使えるプロンプト、小売・飲食業で使えるプロンプト、物流・運送業で使えるプロンプトもあわせてご覧ください。プロンプトを試した後、施設内での効果を測りたい場合は生成AIの効果測定の方法もご参照ください。
以上となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。