【業種別】中小企業の経理部門で使える生成AIプロンプト10選|コピペOK
経理業務ですぐ使える実践的なプロンプト10個を紹介。請求書メール、経費精算、月次分析、仕訳判断、決算要約など、コピペするだけで使えます。
「生成AIが便利なのは分かったけど、経理の仕事でどう使えばいいの?」——こんな声をよく聞きます。
経理業務は「定型的な文書作成」「数値の確認・分析」「社内外への説明」が多く、実は生成AIとの相性が抜群です。
本記事では、経理部門で「明日からそのまま使える」プロンプトを10個厳選しました。すべてコピペして、【 】の部分を自社の情報に書き換えるだけで使えます。
想定読者
- 中小企業の経営者・経理担当者の方
- 生成AIを経理業務に取り入れたいが、プロンプトの書き方が分からない方
この記事で得られること
- 経理部門ですぐ使える実践的なプロンプト10個(コピペOK)
- プロンプトの「型」と応用のコツ
- 生成AI活用時の注意点
目次
生成AIプロンプトの基本——「型」を覚えれば怖くない
そもそも「プロンプト」とは?
プロンプトとは、ChatGPTやClaude、Geminiなどの生成AIに対して出す**指示文(お願いの文章)**のことです。人間の部下に仕事を頼むときと同じで、指示が具体的であればあるほど、質の高い回答が返ってきます。
良いプロンプトの「型」——4つの要素
プロンプトの精度を上げるには、次の4つの要素を意識して盛り込むのが効果的です。
| 要素 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 🎭 役割(Role) | AIにどんな専門家として振る舞うか指定 | 「あなたはベテランの経理担当者です」 |
| 🎯 目的・背景(Context) | なぜその作業が必要かを伝える | 「月次決算の報告用に…」 |
| 📋 条件・制約(Constraints) | 文字数・トーン・含める情報を指定 | 「300文字以内で、敬語で」 |
| 📤 出力形式(Format) | どんな形で出力してほしいかを指定 | 「箇条書きで」「表形式で」 |
プロンプトのNG例とOK例
❌ NG例:「請求書のメールを書いて」
→ 情報が少なすぎて、汎用的すぎる文章が出てくる
✅ OK例:
「あなたは中小企業の経理担当者です。
取引先の株式会社〇〇宛に、請求書を送付する際の
メール文を作成してください。
【条件】
- 丁寧な敬語を使用
- 請求金額と支払期限を明記する箇所を設ける
- 件名に『請求書送付のご案内』を含める
- 200文字程度」
💡 ポイント: プロンプト内の固有名詞(会社名、金額、日付など)には、実際の機密情報を入れず
〇〇やダミーの情報を使いましょう。AIに入力した内容は外部サーバーに送信される可能性があります。プロンプトの5W1Hフレームワークや構造化のコツをさらに深く学びたい方は「プロンプトエンジニアリング実践講座」もあわせてご参照ください。
経理部門で使えるプロンプト10選
① 請求書送付メールの作成
想定シーン: 取引先に請求書をメールで送るとき、毎回文面を考えるのが手間。
あなたは中小企業の経理担当者です。
以下の情報をもとに、取引先へ請求書を送付する際のビジネスメールを作成してください。
# 条件
- 丁寧な敬語を正確に使用すること
- 請求額と支払期限を明記すること
- 件名に「請求書送付のご案内」を含めること
- 添付ファイル(PDF)がある旨を記載すること
- 200〜300文字程度
# 入力情報
- 送付先企業名:【株式会社〇〇】
- 担当者名:【〇〇様】
- 請求金額:【〇〇円(税込)】
- 支払期限:【〇〇年〇〇月〇〇日】
- 請求内容:【〇〇に関する業務委託費】
② 経費精算ルールの社内説明文
想定シーン: 新入社員や中途社員に経費精算のルールをわかりやすく伝えたい。
あなたは中小企業の経理部門のリーダーです。
新しく入社した社員向けに、経費精算のルールをわかりやすく説明する
社内向け案内文を作成してください。
# 条件
- 専門用語を使わず、入社1日目の人でも理解できる平易な表現で書くこと
- 手順を番号つきのステップ形式で記載すること
- よくある間違い(NG例)を2〜3個含めること
- 全体で400〜600文字程度
# 含めてほしい内容
- 精算対象となる経費の範囲(交通費、接待費、消耗品費など)
- 申請の締め切り:【毎月〇日まで】
- 必要な添付書類:【領収書原本 or 電子データ】
- 申請方法:【〇〇システム or 紙の申請書】
③ 勘定科目の説明文作成
想定シーン: 営業部や総務部から「この経費はどの科目?」と頻繁に質問される。社員が自分で判断できる一覧表を作りたい。
あなたは中小企業のベテラン経理担当者です。
経理部門以外の社員(営業・総務など)が、経費を申請する際に
適切な勘定科目を自分で判断できるよう、主要な勘定科目の説明一覧を作成してください。
# 条件
- 経理の専門知識がない人でも理解できるよう、平易な表現で書くこと
- 表形式で作成すること
- 各科目に「具体的な使用例」を2つ以上含めること
- 間違えやすい科目の区別(例:消耗品費 vs 備品費)を補足すること
# 含めてほしい勘定科目
- 旅費交通費
- 接待交際費
- 消耗品費
- 通信費
- 会議費
- 広告宣伝費
- 外注費
- 備品費(または工具器具備品)
# 出力形式
| 勘定科目 | 説明 | 具体例 | よくある間違い |
④ 月次売上データの傾向分析
想定シーン: 経営会議で月次売上の傾向を報告する際、データを渡して分析コメントを作りたい。
あなたは中小企業の経理マネージャーです。
以下の月次売上データをもとに、経営会議で報告するための
傾向分析コメントを作成してください。
# 条件
- 経営者(社長)が読むことを想定し、専門用語を避けた平易な表現で書くこと
- 前月比・前年同月比の増減率を計算し、明記すること
- 増減の要因を推測し、考えられる原因を2〜3個挙げること
- 今後の見通しまたは注意点を1〜2点記載すること
- 全体で300〜500文字程度
# 入力データ
- 当月売上:【〇〇万円】
- 前月売上:【〇〇万円】
- 前年同月売上:【〇〇万円】
- 主な売上構成:【〇〇事業:〇〇万円、△△事業:〇〇万円】
- 当月の特記事項:【〇〇(例:大口案件の受注、季節要因など)】
⑤ 予算と実績の差異分析レポート
想定シーン: 月次・四半期ごとに、予算と実績の差異を整理し、経営層に報告するレポートのたたき台を作りたい。
あなたは中小企業の経理部門の分析担当者です。
以下の予算・実績データをもとに、差異分析レポートのたたき台を作成してください。
# 条件
- 経営層向けに、結論を先に述べる構成にすること
- 差異の大きい項目をピックアップし、原因を推測すること
- 改善提案を2〜3個含めること
- 全体で400〜600文字程度
# 入力データ
- 対象期間:【〇〇年〇月度】
- 売上高:予算【〇〇万円】 / 実績【〇〇万円】
- 売上原価:予算【〇〇万円】 / 実績【〇〇万円】
- 販管費:予算【〇〇万円】 / 実績【〇〇万円】
- 営業利益:予算【〇〇万円】 / 実績【〇〇万円】
- 特記事項:【〇〇(例:原材料費の高騰、臨時の販促費用など)】
# 出力形式
1. サマリー(3行以内)
2. 差異の詳細分析(項目ごと)
3. 改善提案
⑥ 経費の仕訳判断サポート
想定シーン: 「この経費はどの勘定科目で処理すべき?」と迷ったとき、AIに相談したい。
あなたは税務に詳しい中小企業の経理担当者です。
以下の経費について、適切な勘定科目と仕訳を提案してください。
# 条件
- 中小企業の会計基準に準拠すること
- なぜその勘定科目を選んだのか、理由を簡潔に説明すること
- 迷いやすいケースの場合、他の候補科目との判断基準も提示すること
- 消費税区分(課税 / 非課税 / 不課税)も記載すること
- ※AIの出力は参考情報です。最終判断は顧問税理士にご確認ください
# 入力情報
- 支払内容:【〇〇(例:取引先との会食、3名、居酒屋)】
- 支払金額:【〇〇円(税込)】
- 支払先:【〇〇(例:〇〇居酒屋)】
- 支払目的:【〇〇(例:新規取引先との関係構築)】
# 出力形式
- 推奨勘定科目:
- 仕訳例:(借方)〇〇 /(貸方)〇〇
- 消費税区分:
- 判断理由:
- 注意点:
⑦ 決算書の要約(経営者向け)
想定シーン: 決算書の数字を、経営者にわかりやすく3行サマリー+詳細解説で説明したい。
あなたは中小企業の経理部長です。
以下の決算データをもとに、社長に報告するための決算要約を作成してください。
# 条件
- 経理の専門知識がない経営者でも理解できる平易な表現で書くこと
- 最初に「3行サマリー」を記載すること
- その後に主要項目の詳細解説を記載すること
- 前期との比較で良い点・懸念点をそれぞれ1〜2点挙げること
- 全体で400〜600文字程度
# 入力データ
- 対象:【〇〇年度決算】
- 売上高:【〇〇万円】(前期:【〇〇万円】)
- 営業利益:【〇〇万円】(前期:【〇〇万円】)
- 経常利益:【〇〇万円】(前期:【〇〇万円】)
- 純利益:【〇〇万円】(前期:【〇〇万円】)
- 特記事項:【〇〇(例:新規事業への投資、借入金の返済など)】
# 出力形式
1. 3行サマリー
2. 主要項目の詳細解説
3. 良い点
4. 懸念点・今後の注意事項
⑧ 経費申請の差し戻し連絡
想定シーン: 経費申請に不備があったとき、角が立たないように差し戻しメールを書きたい。
あなたは中小企業の経理担当者です。
以下の情報をもとに、経費申請の差し戻しをお願いする社内メールを作成してください。
# 条件
- 相手を責めるトーンにならないよう、柔らかい表現で書くこと
- 差し戻し理由を明確にし、どう修正すればよいかを具体的に伝えること
- 「お忙しいところ恐縮ですが」など、相手への配慮を含めること
- 再申請の期限を記載すること
- 200〜300文字程度
# 入力情報
- 申請者名:【〇〇さん】
- 申請内容:【〇〇(例:4/15の出張交通費)】
- 差し戻し理由:【〇〇(例:領収書が添付されていない、金額が交通費と一致しない)】
- 修正してほしい内容:【〇〇】
- 再申請の期限:【〇〇月〇〇日まで】
⑨ 税制改正の社内通知文
想定シーン: 税制改正の内容を、社員にわかりやすく社内通知として共有したい。
あなたは中小企業の経理部門のリーダーです。
以下の税制改正の内容を、全社員に向けてわかりやすく説明する
社内通知文を作成してください。
# 条件
- 税務の専門知識がない社員でも理解できる平易な表現で書くこと
- 「社員の業務にどう影響するか」を中心に書くこと
- 難しい用語には( )で補足説明を入れること
- 改正の要点を箇条書きで整理すること
- 300〜400文字程度
# 入力情報
- 改正の名称:【〇〇(例:インボイス制度に関する改正)】
- 改正の概要:【〇〇(例:少額特例の経過措置が〇〇年に終了する)】
- 施行日:【〇〇年〇〇月〇〇日】
- 社員への影響:【〇〇(例:経費精算時の領収書の確認ポイントが変わる)】
- 対応が必要なこと:【〇〇(例:インボイス登録番号の確認を徹底する)】
※本通知は概要の共有を目的としています。詳細は顧問税理士にご確認ください。
⑩ 財務レポートの英訳サポート
想定シーン: 海外の取引先や投資家に向けて、財務情報を英語で要約する必要がある。
あなたはビジネス英語と会計に精通した翻訳者です。
以下の日本語の財務レポートの要約を、英語に翻訳してください。
# 条件
- ビジネス文書として適切な、フォーマルな英語表現を使うこと
- 会計用語は国際的に通用する英語表記を使用すること
(例:売上高 → Revenue / Net Sales、営業利益 → Operating Income)
- 日本円での金額はそのまま「JPY」で表記すること
- 原文の意味を正確に伝えつつ、英語として自然な文章にすること
- 300〜500 words程度
# 翻訳対象の日本語レポート
---
【ここに日本語の財務レポート要約を貼り付けてください】
---
# 出力形式
- タイトル(英語)
- 本文(英語)
- 用語対照表(日本語 → 英語の主要用語一覧、表形式)
【重要】プロンプト活用の注意点とセキュリティ対策
生成AIは強力なツールですが、「使い方を間違えるとリスクになる」側面もあります。安全に活用するために、以下の5つのルールを守りましょう。
ルール1:機密情報・個人情報を入力しない
生成AIに入力した内容は、サービスによっては学習データとして使われる可能性があります。以下の情報は絶対に入力しないでください。
- 顧客の個人情報(氏名、住所、電話番号など)
- 自社の未公開の財務情報、契約内容
- 社員の個人情報(マイナンバー、評価情報など)
- パスワード、APIキーなどの認証情報
対策: プロンプト内では 【〇〇】 やダミーデータを使い、出力された文章に後から実際の情報を手入力してください。
ルール2:AIの出力は必ず人間がチェックする
生成AIは「もっともらしい嘘」をつくことがあります。これをハルシネーション(幻覚)と呼びます。特に数値データや法律の条文については、**必ずファクトチェック(事実確認)**を行ってください。
ルール3:法律・税務・医療の最終判断は専門家に
就業規則の改定や税務判断、契約書の作成など、法的拘束力がある文書は、AIの出力を「たたき台」として使い、最終版は必ず社労士・税理士・弁護士に確認してもらいましょう。
ルール4:著作権に注意する
AIが生成した文章が、既存の著作物と酷似する場合があります。特に外部に公開するコンテンツは、コピペチェックツールなどで確認することをおすすめします。
ルール5:社内の利用ルール(ガイドライン)を整備する
生成AIを社内で活用するなら、利用可能なツール、入力禁止情報、生成物の扱いなどを定めたガイドラインを作りましょう。具体的な作り方やコピーして使えるテンプレートは、中小企業向け生成AI利用ガイドラインの作り方で解説しています。
【まとめ】経理部門で使える生成AIプロンプト10選
本記事の内容をまとめると、こんな感じになります。
- プロンプトの型:役割・目的・条件・出力形式の4要素を意識する
- 10個のプロンプト:請求書メール、経費精算ルール、勘定科目説明、月次分析、差異分析、仕訳判断、決算要約、差し戻し連絡、税制改正通知、英訳サポート
- セキュリティ5つの鉄則:機密情報入力禁止、出力必ずチェック、専門分野は専門家に
大切なのは、**「まず1つ試してみる」**ことです。まずは本記事のプロンプトを1つコピーして、AIに貼り付けてみてください。営業や総務部門でも同様のプロンプトを紹介していますので、営業部門で使えるプロンプト10選や総務部門で使えるプロンプト10選もあわせてご活用ください。プロンプトを試した後、社内での効果を測りたい場合は生成AIの効果測定の方法もご参照ください。
以上となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。